東京都の災害拠点病院である関東中央病院様にとって、万一の際においても手術や診療などの医療行為を継続することは最大の使命です。
そのために必要なことは何か。総務課長 矢島博仁様、総務係長 立石光央様にお話を伺いました。
総務課 総務係長
立石 光央様
災害拠点病院として、施設設備の整備やDMAT隊(災害派遣医療チーム)の確保などの条件をクリアし、日々災害時における初期救急医療体制の充実強化について力を入れておられる関東中央病院様。
しかし東日本大震災が発生するまでは、職員様の安否確認は連絡網などでご実施されていたと仰います。
震災を経験し、あらためて実感されたことについて伺いました。
「3.11の際に職員になかなか連絡がつかなかったことを経験して、何かしらの連絡ツールの必要性を痛感しました。3.11は診療時間中でしたので、相当数の職員は院内に居たものの、外に出ている職員や休みを取っている職員については、連絡が取れない状況でした。」
と立石様は当時の様子を振り返ります。
「この時は震災が起きたのが日中の診療時間中で、ほとんどの職員が勤務中だったからまだ良かったものの、これが土日や夜間だったらどうだろうと考えると、地域医療の拠点としても対策の必要性をあらためて実感しました。」
東日本大震災の発生からすぐにシステム導入を検討され、スピーディに選定のステータスに入られたそうです。
総務課 総務課長
矢島 博仁様
「当院は地域医療支援病院として、地域の医療機関の後方支援する機能を果たさなければなりません。さらには東京都の災害拠点病院でもありますから大規模な災害が発生した際には、医療体制の確立はもちろんのこと、避難場所の準備や災害医療チームとの連携など、多くのミッションがあります。災害が発生した際に地域の患者様の受け入れ、トリアージの実施、DMATの編成など、様々な事象に対応する必要がある中で、『どのような体制が組めるか』『どの職員が対応できるか』をまず把握することは、初動対応に欠かせない情報だと考えています。」
と総務課長の矢島様は仰います。
「東日本大震災の際は、家族間での安否確認がなかなか取れず、一旦家に戻って状況を確認した職員も居りました。エマージェンシーコールを導入すれば、本人同士が連絡を取り合うことをしなくても、例えばほかのスタッフが代行して安否を確認することで、安心して診療に集中できる。多くの点でメリットがあると言えます。」
同社が掲げている「心あたたかく、日々新たに」という基本理念にも、人と人とのふれあいや温かみを大切にする姿勢が現れているように感じます。
「エマージェンシーコールの導入を地域の消防と警察での会合で発表したところ、『万一の際は頼りにしている』という言葉をいただきました。地域に貢献するという意味でも大きな強みになったと感じています。」(立石様)
関東中央病院様では、同院の幹部職員も防災や災害対策には積極的に携わられていらっしゃるとのことです。
これからの課題を伺ったところ「エマージェンシーコールの通信訓練を定期的に行い、回答率をあげること」というご回答を頂きました。
今後の展開については、「ドクターコールやスタットコールなど、職員の安否確認以外の用途で活用出来るような仕組みを取り入れ、回答率や登録率の向上を図りたい。さらにスマートフォンやタブレット端末を活用して効率化を図りたい。」と語っていらっしゃいます。
また、災害時に被災した都道府県を超えて、医療機関の稼働状況など災害医療に関わる情報を共有し迅速かつ適切な医療・救護の行為に関わる情報を集約する「広域災害救急医療情報システム(EMIS)」との連携も視野に入れていると仰います。
医療の現場における災害時の初動対応を「エマージェンシーコール」を通じた安否の確認から危機管理まで、確実に支援してまいります。
「エマ―ジェンシーコール」は、事業継続計画(BCP)を実行するうえで必要な「従業員の安否確認」、「指示事項の伝達・確認」を支援します。