導入事例

小田急電鉄株式会社様 EMC

  • 設 立
    1948年6月1日
  • 従業員数
    13,221名(2014年3月末現在)
  • 資本金
    603億5千9百万円
  • 売上高
    5,187億1千5百万円(2015年3月期)
  • URL
    http://www.odakyu.jp/
前身の小田原急行鉄道は1923年に設立。小売り・不動産など多岐にわたる事業領域を持つ小田急グループの中核をになっている。全線70駅での1日あたりの平均乗降者数は約390万人。

一刻も早い災害復旧に欠かせない!!鉄道事業の全社員の安否確認を「エマージェンシーコール」がサポート

交通インフラを担う鉄道事業は、災害時の事業継続・早期復旧を強く求められます。
神奈川県、東京都を中心に通勤・通学の足となっている小田急電鉄様は、どのようなBCP(事業継続計画)対策を用意されているのでしょうか。
CSR・広報部課長 久納啓作様と、課長代理 細野充弘様にお話を伺いました。

BCPのカギは平時からの綿密な計画策定

地震や台風などの自然災害、事故やテロなどの人的災害、新型インフルエンザの大流行などの大規模な災害が起こってしまった場合、中小・大企業にかかわらず、事業の継続や早期復旧が困難になる恐れがあります。特に中小企業では事業継続計画が滞ることによって、廃業に追い込まれてしまうリスクもあります。被害を最小限に食い止めるためにもBCP(事業継続計画)への対応・準備は欠かせません。

鉄道事業を軸に幅広く事業を展開している小田急電鉄様は、地域のインフラを担うという事業特性から、事業の継続と早期復旧を強く求められる企業の一つです。そのため早くから災害発生時の対応について計画の整備・改善を続けてきました。

一般的な事業継続の取り組みでは、災害時の事業継続について基本方針を定め、想定されるリスクや事業の優先順位を検討しながら、従業員の安否確認方法など具体的な対応計画を定めます。また、緊急時に計画を的確に実行できるよう社員教育や訓練の実施も大切です。定期的に計画を見直し、取り組み全体の改善を続けることが求められます。

それでは小田急電鉄様ではどのような取り組みをされているのでしょうか。例えば、小田急の沿線の一部が東海地震の強化地域に含まれることから「地震防災計画」を策定しています。2004年には「緊急時対応計画」「防災基本計画」などをまとめ、09年にBCPの観点から体系的に整備しました。

緊急時対応計画では役員・従業員の行動原則、優先すべき業務、対応体制などについて規定。防災基本計画では安否確認システムの整備・活用、復旧資金の調達・配分、訓練の実施などについて定めています。

このように完璧と思われるBCPを用意している小田急様ですが、一つの懸念点がありました。それは一体どのようなことだったのでしょうか。

全社員の迅速・正確な安否確認は事業継続に必須

災害発生時、最も重要なことの一つは、従業員の安否確認をいち早く行うことです。事業継続・早期復旧のために必要な人材の確保にも欠かせません。

小田急電鉄様の場合、安否確認の対象者は全社員と一部の常勤契約社員を合わせるとなんと約4千人に上ります。4千人の安否確認を電話でおこなうには時間がかかりすぎ、回答の集計や全体の状況把握にも多くの人手が必要になってしまいます。

1999年から別サービスが提供するシステムを導入していましたが、音声通話による安否確認が中心のものでした。災害時には電話の不通も考えられるため、より確実に連携がとれるよう機能強化の必要性があったのです。

そこで小田急電鉄様は、05年にインフォコムの緊急連絡・安否確認システム「エマージェンシーコールR」を導入。すべての事業について、従業員の安否や被害状況などを迅速・的確に把握できる体制を整えたのです。同時に、同社グループを構成する他社も同じシステムの利用を決めました。

「災害発生時、従業員の安否確認を効率的に把握するとともに、会社からのメッセージを確実に伝えることは、事業の継続・早期復旧を図るうえで書かせない条件です。安否確認システムは、そのための最適なツールです」と、CSR・広報部課長 久納様は太鼓判を押してくださいました。

「特に鉄道部門は即座に対応体制を確立しなければならず、確実に連絡がとれるシステムが不可欠です。そのほかの事業も、事業内容に応じてきめ細かな情報収集が求められます。「エマージェンシーコール」は、こうした条件をクリアできるシステムだと判断しました」と久納様はおっしゃってくださいました。上場企業をはじめ600社を超える企業や官公庁で利用されている「エマージェンシーコール」の信頼性の高さも導入の決手のひとつだったようです。

社員の認知を高めるため年2 回の訓練を実施

同システムの導入後、同社は安否確認が必要になるほどの災害はまだ起こっていません。しかし昨年、新型インフルエンザが発生した際には、従業員の健康状態を毎日確認するための質問項目を作成するなど準備を整えていたそうです。

「弱毒性だったため実際には使わずに済みました。『エマージェンシーコール』は単に安否を確認するだけでなく、被災状況を正確に把握するための質問項目などを自由に設定できます。当社は鉄道事業のほかに流通業や不動産業なども手がけていますので、多様なリスクに柔軟に対応できる自由度の高さは大きな利点です」と、課長代理の細野様はおっしゃいます。今年は新型インフルエンザに対する「緊急時対応計画」を定め、強毒性の流行を想定した対策を整えているそうです。

災害発生時にシステムをうまく使いこなすためには、平時からの訓練が欠かせません。そこで同社は年2回の登録訓練を実施。「安否の登録を促すメールのURLをクリックするだけで登録画面に進む事ができるなど、以前のシステムより使いやすくなった、と社員の評判もよい」と細野様は評価してくださいました。

その使いやすさのお陰か、毎回95%以上の社員が登録をしていて、安否確認システムに対する社員の皆様の認知は大変高いようです。小田急鉄道様では、このシステムを日常業務で利用する事も検討されています。個人の携帯と社用の携帯など複数の緊急連絡先を登録できるうえ、特定の人物だけにメッセージを送れることから、会議の招集連絡や社内アンケートへの利用なども考えられるとのこと。

インフォコムがサービス提供時に想定していた以上の使いかたを検討してくださっている小田急電鉄様。私たちも、より良いサービスとより細やかなアフターケアを提供していける会社でいようとの思いを新たにしました。
(日経産業新聞 2010/8/27掲載の記事を元に再構成しました)