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危機管理業務へのRPA適用のポイント ~業務効率化とBCP実効性向上の実現~

その他

【はじめに】

過重労働が大きな社会問題となっている昨今、競争力を維持・強化しつつ、人的負担を軽減する施策に苦慮している企業も多いことと思います。とくにルーティンワークと呼ばれる定常的な事務的作業においては、常に業務の棚卸と効率化の必要に迫られています。そのような中でRPA(Robotic Process Automation)が業務の効率化を次のステージへと推し進めており、コスト削減や業務品質向上など導入のメリットが大きいことから、注目を集めています。

危機管理領域においても「万が一危機が発生した場合に損失を極小化するための活動」の中でRPAを活用することで、作業効率化とともにBCP実効性を高めることができると考えられています。

RPA活用でどこまで業務の効率化が図れるのか。特性を活かす活用のポイントや導入の例について一般的な事務的作業と危機管理に関わる作業の2つの側面で整理してみます。

【RPAとは】

Robotic Process Automationの名のとおり、人が端末上で行う定型作業を自動化するものであり、これまで自動化が困難とされてきた作業を代替する仕組みを指します。

これまで人がPCに向かって、キーボードやマウスを使って行ってきた定型作業を、コンピュータにインストールしたソフトウェア(ロボット)に記憶、代行させるのがRPAで、導入により、業務の効率化やそれに伴う人的負荷軽減、コスト削減などが期待できます。


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【一般的な事務的作業でのRPA活用イメージ】

月報・週報・日報などの社内的な報告書や定形のレポートなど、定常的な業務が多い企業においてはこうした作業を効率化するために、まず考えられるのが自動化システムを組むという方法です。しかしメールソフトや、Office、BIツールなど、複数のソフトウェアの連携や、関連付けるプログラムの開発、セキュリティ対策の見直しなど、越えるべきハードルは複数あり、コスト的な課題も相まって検討が止まってしまうことも少なくありません。

しかしRPAを導入することにより、ロボットに作業手順を覚えさせ、人が行う要領と同じように作業を進めれば、24時間365日働き続けるうえ、既存のソフトウェアもそのまま活用することができるため、定常的なルーティンワークの効率化にインパクトを発揮すると考えられます。期待できる導入のメリットは以下の通りです。


・事務作業にかかる費用の削減
定常的な事務作業の8割がロボットで代替できると推察されることから、人的コストの削減が可能となります。

・定常業務の質の向上
人的なエラーやオペレーションミスなどが限りなくゼロになるうえ、24時間/365日同じレベルでのアウトプットが期待できます。

・既存システムの活用
RPAソフトウェアの導入が必要となるものの、既存の業務ソフトの改修やシステム連携は不要。ゆえに大規模なIT投資をせず業務プロセスを効率化が可能となります。


これらによる飛躍的な生産性の向上が期待できるとしています。


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【危機管理領域でのRPA活用イメージ】

危機管理領域における業務は、平常時の準備活動(BCM)と危機発生時の初動~事業継続活動(BCP)の2つに分けられます。それぞれの活動でRPAをどのように活用できるかポイントを整理してみます。


<平常時の準備活動(BCM)>

新入社員教育(eラーニング等)、年間訓練計画の策定・実行、自衛消防隊の改編、マニュアルの最新化など、有事の際にBCPが支障なく実行できるように様々な準備作業が必要となります。その中でも安否確認システムなどのITツールのマスターメンテナンスは、人事異動や組織変更に伴う発生頻度が多く、更新されなければ適切な安否確認や情報収集ができないことから確実な実施が求められます、人事システムで更新された情報を安否確認システムに反映するなど、比較的パターン化が容易な単純作業であるため、RPAで自動化することで、人的コストを削減することが可能です。


<危機発生時の初動~事業継続活動(BCP)>

危機発生時は予め策定したBCPに沿った対応を実行しますが、初動対応のスピードが事業継続を左右するため、業務時間内のみならず夜間休日などの業務時間外においても速やかに危機対応体制に切り替える準備が必要となります。これらの活動は危機管理対応部門、総務部門、情報システム部門など各部門の実行担当者が担っており、有事の際は、災害、事件、事故、インシデントの発生検知、事象に応じた関係者への通知、情報収集、報告などの作業が発生します。

これらの「人」に依存している作業を24時間/365日休むことなく稼働することができるRPAが代用することによって、以下のメリットが得られます。

・初動対応の確実な実行
 実行担当者が被災するなど活動不能状態に陥ることで、初動対応が遅れる、実行できなくなるリスクを解消できます。

・危機発生時の担当者業務効率化
 ルーティンワークが削減されることにより、危機発生時の限られた人的リソースをより重要度・優先度の高い作業に集中することができます。

以上のことから、危機管理領域におけるRPA活用は業務効率化を実現するだけではなく、BCPの確実な実行を助け、事業継続対応のスピードを向上することにつながり、危機発生による損失を極小化することに大きく寄与すると考えます。

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【今後の展開】

インフォコムが提供する危機管理ICTソリューションにおいて、2017年度下期中に、RPAを活用したサービス・コンテンツの提供を、開始する予定です。


 <提供サービス例>

(例)緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール」®関連サービス

   ・ユーザーデータのメンテナンス

   ・安否集計結果の履歴ダウンロード・レポーティング

   ・任意トリガーによる自動連絡発信 など

※上記は現在検討中のサービスであり、実現を保証するものではありません。


【参考文献】
FinTech IT
アクセンチュア株式会社レポート