導入事例

富士フイルムロジスティックス株式会社 様 BCPortal

富士フイルム ロジスティックス株式会社様は、富士フイルムグループの競争力を、「必要なモノを、必要なときに、必要な分だけ、最も合理的な方法でお届けする」というロジスティクス機能の面から支えられている、物流のスペシャリストです。

有事が発生した際にいかに早期に物流を復旧できるか

富士フイルムグループの商品・原材料・アフターサービス部品などの物流・保管業務を担う富士フイルムロジスティックス株式会社様は、今回の熊本地震に際して、富士フイルムグループのお客様への商品物流の早期正常化に加え、富士フイルム九州の商品・原材料の倉庫保管・物流の復旧、被災地への支援物資配送に大きな役割を果たされました。「地震などの災害が発生したときに物流が滞れば企業や会社に大きなダメージを与える、有事の際にはいかに早期に業務を再開し、通常通りの物流に戻すかといくことが物流の世界では求められる。」
総務部長の亀田様、情報システムの児玉様に、初動から事業継続までを迅速に実現するためのお取組みと熊本地震で実際に復旧活動を実施された事例についてお伺いいたしました。

災害対策マニュアル・体制とツールの整備

2015年8月から災害対応マニュアルの整備を進められ、周知を徹底されてきました。
亀田様「災害対策マニュアルや体制づくりで重要なのは、『役割分担と決定者』を明確にし、意思決定までのプロセスをできるだけ短くすることです。今回の熊本地震では、お客様や現場と連携が取り易い部門に裁量権を持たせ、現場で判断・実行できる体制を作ることによって、迅速に対応することができました。」
同じタイミングで有事の際に利用するツールの整備も実施され、グループ全体で利用されている安否確認システム、初動対応システムとも連動した、情報共有を目的としたシステムとして、「情報管理ポータルシステム BCPortal®」を導入いただきました。
「全従業員は有事の際にこのシステムに接続できれば、様々な情報を発信・共有でき、関連システムや必要な情報にアクセスすることができる。そのためには誰でもどこからでも簡単に利用できることが評価の大きなポイントでした。」ツール導入の中心メンバーである情報システム部の児玉様はそう仰られます。

被災地へのメンバー派遣と現地での活動

前震発生翌日の4月15日の9時に富士フイルムロジスティックス株式会社様の本社で緊急対策本部を立ち上げ、現地に派遣するメンバーを決定。メンバーは17日に現地入りして指揮に当たりました。
震源地となった益城町には原材料倉庫が、その隣町の菊陽町には商品を保管している流通センターがあり、いずれの倉庫でも大きく荷崩れが発生するなど被害が大きいことが分かりました。
現地での復旧活動はまず菊陽町の流通センターからの商品出荷を最優先し、荷揃えができたものから出荷するという方法で4月19日には出荷を再開することができました。益城町の原材料倉庫では重機を使って転倒している原材料を片付けながら良品の選別作業を実施し、最終的には工場の生産に影響を与えることなく4月28日にすべての作業を完了しました。

また、地震の影響で幹線道路が通行止めとなっていたため、メンバーが実際に運転をして道路を走り、安全に輸送できるルートを選定することで、お客様への影響を最小限に留めることに成功しました。
運送業者の協力を得て、全国区各地に備蓄していた110トン分もの支援物資を1~1.5日のリードタイムで現地に届けることもできました。

BCPortalが被災地と本社をつなげる

現地に派遣されたメンバーが復旧活動を実施する中で、BCPortalが大きな役割を果たしました。
BCPortalの「タイムライン機能」は、パソコンやスマートフォン・タブレットのアプリから、時間や場所の制約なく簡単に画像やテキストで情報を投稿・閲覧することができるので、現地派遣メンバーは現地在住従業員の安否確認報告や現場の被害状況を写真で共有するなど、積極的な投稿を行い、それを確認した本社メンバーは迅速に被害の全体像を掴むことができ、意思決定された今後の対応方針を本社からタイムラインに投稿することで、離れた場所から復旧作業をサポートすることができました。
亀田様「電話やメールなどの通常の連絡手段は大きな通信障害がなく利用することができたので、直接の指示は通常の方法で実施しましたが、現地の様々な情報をタイムリーに収集するという点で非常に活用することができました。」
また、現地メンバーの報告に対して社長を含めたメンバーがメッセージを返信されることで、現地メンバーの中に会社がちゃんとバックアップしてくれているという安心感が芽生え、全社が一丸となって復旧活動に注力することができたと仰られます。
今後の展開について、「収集する情報や本社からの伝達事項については、機密性の高い情報も含まれるので、すべての情報を全従業員が閲覧できることがよいのか検討する必要があります。また、今回はメールや電話が利用できましたが、通常の通信手段が使えなくなった時のバックアップも考える必要があります。」と児玉様を中心に検討を進められ、限定メンバーとインターネットに接続できればコミュニケーションができるBCPortal「グループトーク機能」の導入を採用いただきました。

今回導入したサービス
災害時の情報共有とコミュニケーション強化を
万全サポート

「BCPortal」は、BCPを実行するうえで必要な「情報収集」、「コミュニケーション」、「情報共有」、「危機広報」を支援します。

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