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企業の防災マニュアルの作り方とは?わかりやすい参考例も紹介

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災害発生時における従業員の行動指針をまとめた防災マニュアル。緊急事態に従業員が迷わず行動できるように、企業の防災担当者はまず防災マニュアルを作成することが必要です。

この記事では企業の防災マニュアルの作成方法や入れるべき項目をわかりやすくまとめました。防災マニュアル作りに役立つ公的な手引きもあわせて紹介します。

企業の防災マニュアルの作成方法

防災マニュアルとは緊急時に、従業員の行動指針となる手引書です。そのため作成の目的を明確にし、自社に適した内容を盛り込む必要があります。さらに、いざというときに従業員が判断に迷わないようわかりやすく簡潔にまとめることが求められます。

作成の手順としては、まず災害対策本部の役割や、緊急時の対応など基本情報を入れ込んだ基盤となる全体マニュアルを作ります。その後、全体マニュアルをもとに従業員向けや管理者向け、現場ごとなど個別に分けた緊急時対応用のマニュアルを作成するのがおすすめです。たとえば従業員向けマニュアルでは通勤時や在宅時など、シチュエーションに合わせた行動指針を細かくまとめます。

また事業所のある地域の災害リスクを分析したうえで、災害ごとにマニュアルを作成します。

企業の防災マニュアルの必要性

災害による人的被害と物理的被害を最小限に抑えるためには、防災マニュアルが必要です。災害時には現場の混乱により適切な判断ができない場合があり、たとえば地震発生時に暖房器具が倒れ、火事が起きるなど二次災害を招く危険性が高まります。このような事態を防ぐためにも防災マニュアルを整備しておきましょう。

企業の防災マニュアルに入れ込む7つの項目

防災マニュアルに入れ込む内容とポイントを参考例とともに解説します。

1)災害時の初動対応

災害発生時に人的被害や物的被害を防ぐためには、初動対応が鍵を握ります。特に人命救助においては、災害発生から72時間が生死を分けるタイムリミットといわれています。企業はいかに初動対応が重要か改めて理解し、必要な対策を講じてください。

まずは災害時に必要な初動対応を洗い出します。防災マニュアルでは初動対応で挙げた項目について、詳しい体制や行動指針をまとめていくと良いでしょう。それぞれどのような内容の記載が必要か、次の章で詳しく解説します。

参考例

災害時に必要な初動対応は、以下を参考にしてください。

  • 対策本部の立ち上げ
  • 被害状況の把握
  • 災害情報の収集および発信
  • 従業員の安否確認
  • 従業員への避難誘導・避難指示

2)組織体制とそれぞれの役割

まずは緊急時の組織体制を定めます。一般的には社長や役員などで構成される対策本部の下に、事業部ごとの対策本部を設置し、その下に救護班や避難誘導班、情報連絡班など必要な役割を配置します。

参考例

各人員の役割の一例を以下にまとめましたので参考にしてください。なお、統括責任者は、被災した場合に備えて代理の責任者も選定しておきましょう。

  • 総括責任者:現場指揮担当
  • 総務担当:対策本部の立ち上げや運営、各担当の調整
  • 情報連絡班:被災情報の収集、通信手段の確保
  • 救護班:被災者の救出や応急手当
  • 消火班:初期消火、防災設備の活用
  • 避難誘導班:避難経路の確認、誘導
  • 社員救援担当:安否確認、物資の配給

3)情報の収集方法

災害時は被害状況に応じて最善の対応を考えるためにも、初動対応における情報収集が非常に重要です。そのためにテレビやAM/FMラジオ、インターネット、防災行政無線など、情報収集するための複数の方法をあらかじめ確保しておく必要があります。

情報の収集と合わせて、情報の共有も重要です。情報の収集ができ、かつ従業員への共有をサポートする災害時に強い災害情報システムを導入する手もあります。

参考例

防災マニュアルには、たとえば以下のようにまとめます。

項目内容責任者の名前
建物や設備の被害状況の把握従業員から情報収集を行う○○○
ライフラインの被害状況把握関係機関から情報を収集する○○○
関連企業の状況把握関係者一覧表より各担当者が連絡する○○○

4)安否確認体制

災害時にもっとも重要となるのは、人命の安全確保です。緊急連絡網などを作成して安否確認の体制を整え、スムーズに従業員やその家族の安否が確認できるようにしましょう。安否確認メールの一斉配信や回答の自動集計が行える安否確認システムを導入する手もあります。

参考例

防災マニュアルには、緊急連絡網と注意事項を入れると良いでしょう。以下の記事で緊急連絡網のテンプレートがダウンロードできるので、活用してください。

注意事項は以下を参考にしましょう。

  • 長電話を避け、簡潔に安否確認を行うこと。
  • 連絡がとれない場合はその社員をとばし、次の社員へ連絡する。かつ、必ずその旨を責任者へ伝えること。
  • 連絡がとれない社員は、本部が指定した社員(最寄に住む社員など)が直接訪問すること。

5)情報資産の保管方法やバックアップ方法

顧客情報や人事情報、製品・技術情報などの情報資産は、企業の経営活動を支える重要な資源です。そのため企業の重要なデータを守る方法を構築し、マニュアルに記載する必要があります。

参考例

たとえば以下の内容をマニュアルに記載します。

  • 重要書類は耐火性のある金庫に保管する。
  • 非常用持ち出し書類は最小限とする。また、火災や爆発の危険性があるときのみ持ち出すこと。

ただし災害時に保管する余裕がない場合もあるため、重要なデータのバックアップをとったり、システムを二重にしたりなどの事前対策が必須です。

6)避難の指示や経路

避難誘導班の動きについて防災マニュアルにまとめます。避難場所や誘導方法、注意点などを盛り込みましょう。さらに、いざというときにスムーズに避難するためには定期的な避難訓練が重要です。普段から非常階段などの避難ルートには物を置かないよう注意しましょう。

参考例

避難誘導班の動きについて参考例を紹介します。

  • 避難経路に基づいて避難誘導を行う。
    ※特に外来者がいる場合は細心の注意を払うこと。
  • 避難場所
    地震発生時:まずは机の下などで身を守り、揺れが落ち着いたら広場へ移動
    津波・洪水などの発生時:2階以上の高い場所へ移動
    火災発生時:屋外の安全な場所へ移動
  • 集合場所が被災した場合は緊急連絡網を用い、情報の伝達を行う。

7)備蓄リスト

内閣府のガイドラインでは帰宅困難者対策として、3日分以上の備蓄の用意を推奨しています。社内に置いてある備蓄品をリスト化し、防災マニュアルに詳細をまとめておきましょう。なお、防災マニュアルにまとめるだけでなく、賞味期限のあるものは随時点検と入れ替えを行うなど継続的な運用と見直しが必要です。

参考例

防災マニュアルには以下のように数量や保管場所を記載すると良いでしょう。

品名/数量保管場所保管責任者
飲料水(1人あたり9L以上)○○倉庫○○○
アルファ化米や乾パンなどの主食(1人あたり9食以上)○○倉庫○○○
毛布(1人あたり1枚以上)○○倉庫○○○
救急箱(1セット)○○倉庫○○○

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企業の防災マニュアルはPDCAサイクルで育てていく意識を

防災マニュアルを作成したあとは必ず訓練を定期的に実施しながら、内容の見直しを図っていきましょう。主に以下の流れで内容をアップデートし、精度の高いマニュアルに育てていきます。

  1. 防災訓練の実施(避難訓練や安否確認訓練など)
  2. 課題や問題点の洗い出し
  3. 防災マニュアルの見直し・改善(1へ戻る)

従業員に防災マニュアルを周知・浸透させるためにも、定期的な防災訓練の実施は欠かせません。

防災マニュアルに加えてBCPの策定も重要

防災マニュアルの作成とともに、BCPの策定も検討しましょう。人的被害および物的被害を抑えるといった観点が強い防災マニュアルに比べ、BCPは事業の継続に重きを置いた計画です。さらに自然災害だけでなく、システム障害やパンデミックなどあらゆる事態を想定した計画のため、BCP策定によって緊急事態発生時の対応力の高さをアピールでき、企業価値の向上にもつながります。

BCPを策定するには優先したい事業を選定し、復旧時間の設定や事業を継続するための代替手段を考える必要があります。以下の記事も参考にしてください。

企業の防災マニュアル作成に役立つサイトの紹介

企業の防災マニュアルを作成するうえで、以下のサイトも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

企業は早急に防災マニュアルを含めた事前対策を

防災マニュアルは災害時に従業員が迷わず行動するために必要不可欠な資料です。初動対応の内容や備蓄品、安否確認体制などについてわかりやすく簡潔にまとめることが求められます。

なかでも初動対応のひとつである安否確認は特に重要です。安否確認をスムーズに、かつ迅速に行うには安否確認システムが役立ちます。安否確認メールの一斉配信や、未回答者に対するリマインドメールの自動配信、回答の自動分析などの機能がつき、担当者の負担を軽減します。

東日本大震災や熊本地震でも稼働した実績のある、災害に強い安否確認システム「エマージェンシーコール」の導入もぜひ検討してみてください。

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阪神淡路大震災をきっかけに開発した緊急連絡/安否確認システム「エマージェンシーコール」の販売を通じ、お客様の危機管理に関する様々な課題をヒアリング。その豊富な知識とノウハウをコンサルティングやコラムに展開。

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