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2013
12/09

BCP策定の5つのポイント

おとうさんの記事

日本はどこにいても、絶対に災害に遭わないという保証はどこにもありません。災害に遭った時にもすぐに立ち直り、危機をチャンスととらえ、他社が営業出来ない時にもきちんと営業が続けられる会社は、強い会社と言えます。その為の準備がBCPなのです。ですから、BCPは金がかかるだけで、災害がなければ意味がないというのではなく、攻めのBCP、儲かるBCP、損しないBCPを考える必要があります。

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 BCP策定の5つのポイント

 1.指揮命令系統の明確化

災害対策本部は迅速な意思決定を行うため、対策本部長以下フラットな組織とし、情報収集、広報、現場対応、顧客対応などの機能を持たせます。対策本部長不在時の代行者を決定し、権限委譲ルールも整備します。最近ではICS(インシデント・コマンド・システム)と言うシステムを採用している団体も多くなってきています。これは、アメリカ西海岸の森林火災の際に消防隊が使ったシステムで、全米に広がっています。特徴としては、車の運転と同じように一度システムを覚えると、別の消防隊へ移動しても、同じ仕組みで行動できる為、違う部隊との混合チームでもすぐに活動できるというメリットがあります。

当社でのBCPでは、受付窓口、情報システム、事務局、財務処理と企業向けの名前に変えてはいますが、同様に4つの機能と1つの指揮に分けています。また、誰が何をするのかを明確にする為に、アクションカードというものを47の情報について作成し、配るようにしました。

 2.代替拠点の確保

代替拠点では必要な資機材を確保し、情報システムが使える環境を整備します。参集要員を絞り込み、参集要員の移動手段なども検討しておきます。また同業者や取引先との連携が鍵になります。事前に協定を結んでおくことも一つの手です。ここで問題なのは、本当に代替拠点に移すのかどうかの判断を誰がどのタイミングでやるのか?という事です。例えば総務部門だけでBCPを作っていたとします。経営の根幹を揺るがす決断を本当に総務部門だけで出来るのでしょうか?当然、経営判断が必要となりますので、経営者や経営統轄部のような部署もBCP策定の時に同席頂く必要があるかと思います。

下の図は、社員の住所データから地図にプロットをして、10km,20Kmを円で囲んだものです。インターネット上の無料サイトやアプリで作ったものですが、簡単に作る事が出来ますので、みなさんの会社でも一度やって見てはいかがでしょうか?実際に地震が起こった時に、拠点への参集が可能かどうか?自宅まで帰れるのかどうかが分かれば、普段からの心構えも変わります。20km以上ある人はすぐに帰宅するのは、最初からあきらめた方が危険は少なくてすむでしょう。また、代替拠点もどこに作れば参集しやすいかなどの参考になるかと思います。

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3.要員の確保

従業員だけでなく、その家族も含めた安否確認体制を確立することが重要です。業務の決裁者や技能者など、重要業務の継続に不可欠なキーパーソンを洗い出し、その代行者を決めたり、日頃からトレーニングを行ったりしておく必要があります。災害時の応援要員について、自社内や協力会社等と具体的に協議しておきます。

出来る限り自動的に安否確認が出来る事が必要です。また、安否が確認出来た後は、2次緊急連絡が必要となりますので、単なる安否確認システムではなく、緊急連絡が出来るシステムが必須となります。災害が起こると安否を確認するだけでなく、情報共有したり緊急連絡を出したりと言ったことを何度もやらなければ、なりません。出社できるかという問いに対して、出来ますと言った人には次にどうして欲しいかという事を迅速に伝えなければなりません。会社の回りが危険な状態の場合は、出社できるといった人に対して、今は来てはいけないというメッセージを送らなければなりません。

4.情報発信および情報共有

固定・携帯電話の輻輳を想定し、電子メールや、インターネットアプリ、SNS、衛星携帯電話なのどの複数の連絡手段を確保しておくことが重要です。電子メールもキャリアのメールサーバがパンクすることがあります。インターネットに直接アクセスが出来るアプリケーションも活用し、複数の手段、複数のメディアが利用出来るように準備しましょう。災害発生後に情報共有をはかるべき関係先をリスト化し、災害時の情報収集、連絡、広報体制について平常時から関係先と協議しておきます。衛星携帯電話は屋内ではつながりません、屋上にアンテナを立てるか屋外で話をするしかありません。必ず、事前の訓練でつながり具合もテストが必要となります。

5.訓練、演習の実施

BCPは策定しただけでは非常時に機能するとは言い切れません。よってその実効性を確認し、担当者や組織全体に定着させるために、訓練、演習を行うことが非常に重要です。100点のBCPを策定する為に時間やお金をたくさんかけるより、策定したBCPを訓練でブラッシュアップしていくという考え方が良いでしょう。

まとめ

BCPはいろいろなアプローチがあり、これが正しいというものがある訳ではありません。手軽に使いやすく平常時から利用出来るというものが良いんじゃないかと思います。作ったままで何も更新しないというものが、一番よくない事で、訓練や演習でどんどん自社に合ったものにしていきましょう。

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