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2013
12/05

実は身近な火山災害−噴火による6つの災害から身を守る−

おとうさんの記事

火山による災害なんて滅多に起こらない。そう考えている方は多いことでしょう。意外に思われるかもしれませんが、実は日本にとって火山災害は身近な災害です。

つい先日も小笠原諸島の西之島付近に新たにできた島は、30日も噴石を飛ばす噴火を繰り返し島のところどころで白い噴気が上がっている様子が確認されました。海上保安庁は、活発な火山活動で島全体が高温になっていると分析しています。

日本に活火山は北方領土や海底火山も含めると110に達します。その数は世界第2位です。活火山とは「最近1万年の間に噴火したことがあるか、現在も活発な噴気活動をしている火山」のことを指します。活火山は1万年近くの休止期間の後でも噴火することがあります。そのような火山が日本に110もあるというのは驚きです。調査が進めばさらに活火山の数は増えるかもしれません。これらの山々がいつ噴火するかもわからないのです。ですが火山による災害は意外と知られておりません。火山災害の被害について知り、しっかりと防災を行いましょう。

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噴火による6つの災害

1.火砕物による災害

火口から噴出される火山灰、火山礫、火山岩塊は放出され通常半径4km先まで落下します。直径が10cm程度の噴石では風に流されて10km先まで飛ばされることもあります。火山灰が積もるとその重みで電線が切れたり、屋根がつぶれることがあります。

2.溶岩流による災害

溶岩流は火口から流出したマグマが流下するもので、低いところに向かって移動します。マグマの温度は900℃から1200℃になります。よって流出する範囲に住居があれば焼失し、時には集落が丸ごと埋没してしまいます。1983年の三宅島噴火では阿古の集落が埋没しました。対応策としてこれを食い止めるために、大量の海水をかけて冷却・固化させ、溶岩の流れを阻止した事例もあります。

3.火砕流・火砕サージによる災害

火砕流は溶岩片と火山ガスとの混合が火山の斜面を流れる現象を指します。その内部温度は100℃以上に達し、流下速度は時速100kmを超えることもあります。溶岩流同様、火砕流や火砕サージの通り道は全てのものが焼き払われてしまいます。1990年に始まった雲仙普賢岳の噴火が記憶にあるかと思います。

4.山体崩壊による災害

火山体の崩壊は大量の土砂移動を伴い、大きな災害になるケースが多いです。1888年の福島県磐梯山の水蒸気爆発に伴う大規模な山体崩壊が有名です。このときに発生した岩石は川をせき止め、桧原湖、秋元湖、五色沼などができました。

5.土石流による災害

火山の噴火で降り積もった火山灰などの噴出物には雨水がしみ込みにくくなっているため、雨が降り溜まり、大量の流水となって一気に流れ出ることがあります。これを土石流と呼びます。土石流の速度は時速100kmに達することもあり、大規模な被害につながります。また、積雪時に起こる土石流を融雪泥流といい、1985年コロンビアのネバドデルルイス火山では2万5000人の死者を出しました。

6.火山ガスによる災害

火山ガスの大部分は水蒸気ですが、二酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素などの有害ガスも放出されます。これらのガスは空気よりも重いので、谷などを通って流下したり滞留したりして被害をもたらします。

2000年の三宅島噴火では二酸化硫黄の大量噴出が数年にわたって続き、全島避難した住民が帰島できるまでに4年5ヶ月がかかりました。

火山ハザードマップの有用性

上記に挙げた火山の噴火による6つの災害を防ぐ手だてはあるのでしょうか。他の災害同様、被害を想定し、避難することが賢明です。

あなたがお住まいの地域の周辺に火山はありますか?まずは近くの山が活火山なのかどうか調べましょう。火山に関しては観測や予知、前兆について研究が進んでおり、事前に兆候を知ることができる場合もあります。そして兆候が見られた場合、公的機関による噴火警報や噴火予報が発令されます。噴火警戒レベルが導入されている火山ではレベル1からレベル5まで分けられています。

火山は多くの場合、同じような噴火を繰り返しますので、過去の噴火の様式を調べておけばある程度の予測は立てられます。近くの火山について調べておくことは有用でしょう。

次に災害の想定を踏まえ作られた火山ハザードマップを調べましょう。火山現象の到達予想範囲、避難場所、避難経路など防災対応に役立つ情報が記載されています。この火山ハザードマップの有用性が実証できたのが2000年の有珠山噴火です。このケースでは事前に「有珠山火山防災マップ」が全世帯に配布されていたため、1人も犠牲者を出すことなく避難を完了させ、火山ハザードマップの有用性を実証しました。こうした事前の調査と備えによって火山災害から身を守っていきましょう。

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