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2020
02/19

飛行機はクリーンルーム並みの安心

おとうさんの記事

新型コロナウィルスが広がっており、連日テレビなどでその恐ろしさが報道されています。飛行機での移動について、誤解がある方がおられるようですので、機内の空気の流れについて、ご紹介いたします。

1.機内の空気循環について
飛行機には色々な種類があり、それぞれの機種によって循環システムに若干の違いはありますが、ほぼ同じ仕組みを採用していますので、ここでは中距離旅客機のB767をご紹介したいと思います。(B767以降の機種には同様以上の性能が採用されています)
まず、外気はジェットエンジンに取り込まれて圧縮されます。この時に高温になった燃焼前の綺麗な空気が約330°F(165℃)。そしてそれを一気に膨張させると、約0℃の空気が出来ます。この2つの温度差の空気をエアコンユニットで混ぜ合わせて、約25℃の空気を作ります。この空気をキャビン内で循環させます。図1
図1_エンジンからの空気の取り込み.png
図1 エンジンからの空気の取り込み
出典:Commercial Airliner Environmental Control System

循環の方法は、頭上から綺麗な空気を流し、床から抜き取ります。前後の空気の流れは座席などでさえぎられるため、窓側から内側に向かって移動します。そのため、窓側の席でにおいの出る食べ物を食べると、前後には行かず、真ん中の席に座った方の方がにおいを感じる事になります。
還気グリルは、床の近くの側壁にあり、両側に沿ってキャビンの長さにわたって延びています。空気に乗客もしくは、キャビン自体からの微生物やその他の汚染物質が含まれていた場合や、咳やくしゃみをすると、微生物はエアロゾルの飛沫に取り込まれ、還気口から排出されます。戻り空気の約半分は船外に排出されます。残りの半分は、再循環システムHEPAタイプのフィルターによって滅菌状態に再処理されます。排気はキャビンの床下から継続的に行われます。後部では、キャビンの圧力流出バルブによって抽出され、船外に排出されます。前方セクションでは、再循環フィルターによって再処理するために再循環ファンによって床下から連続的に抽出され、空調パックから供給される外気と混合されます。キャビン換気システムは、1つの座席列で供給された空気がほぼ同じ座席列から出るように設計およびバランスが取られています。これにより、前後方向の気流が最小限に抑えられます。前後の気流を制御することにより、乗客が生成する汚染物質が広がる可能性が最小限に抑えられます。図2
図2_キャビン内の空気の循環.png
図2 キャビン内の空気の循環
出典:Commercial Airliner Environmental Control System

2.HEPAフィルターとは(High Efficiency Particulate Air)
JIS Z 8122 2000コンタミネーションコントロール用語によれば、HEPAフィルターとは定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して、99.97%以上の粒子捕集効率を持ち、かつ、初期圧力損失が245Pa(25mmH2O)以下の性能を持つエアフィルターとあります。この圧力損失と言うのが、交換時期となっており、粒子を捕集すると空気抵抗が増え、風が出なくなってきます。
このフィルターはクリーンルームで使用しているフィルターで、この事から、キャビン内は非常に綺麗な空気である事が判ります。

3.結論
航空機のキャビン内は空気感染については、他の場所より非常に安全という事が判ります、しかし、接触感染については、この限りではありませんので、手洗い、うがい、水分補給は必ず必要です。また、体調の悪い人については、咳エチケット、マスクの着用は必須です。皆様が快適な旅が出来るよう、正しい知識を身につけ、安全を心掛けるようにいたしましょう。

以上

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