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2016
03/17

防災から減災へ、言い出したのは誰?

しんいち君(長男)の記事

減災と言う言葉は、レジリエンスと言う言葉で表される事が多くなって来ました。これは、自然災害に対しては100%それを防ぐ事は難しいが、災害情報を迅速に提供し、避難行動を促進すれば人的被害は減少するという考えから生まれた言葉です。レジリエンスはしなやかさと強靭とを合わせ持っていますので、さらに復興までを含んでいます。最近、減災と言う言葉を使う人の中で、自分が「減災」という言葉を最初に言い出したという、防災関係者がおられます。しかし、私が「減災」という言葉を聞いたのは、21年前に故:廣井脩先生とお話しをさせて頂いた時であると記憶しています。

 

当社では、21年前の阪神大震災の時に、IT技術でお役に立てる事は出来ないかと被災者避難場所連絡システムを作りました。その後、新聞や雑誌で話題となり、現在の「エマージェンシーコール」と進化しました。ある日、東京大学から電話があり、「被災者避難場所連絡システム」を取材させて欲しいと言われ、来られたのが廣井脩先生でした。先生は当時東京大学で災害情報の研究をされており、この分野の第一人者でした。先生は、大地震を100%防ぐ手段はありませんが人的被害を減少させる事は可能ですと考えられていました。当時の社長が、それじゃ防災ではなく何と言えばいいんですか?と質問した時に、廣井先生はしばらく考えたのち、「減災」ですね。と、口から絞り出すようにお話されたのをはっきりと覚えています。

 

写真は21年前の新聞記事 イメージパートナー(現:インフォコム東日本)

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廣井先生は、廣井脩編著『災害情報と社会心理』北樹出版,pp.153-173,2004 の中で、「住民に情報を迅速に提供し避難行動を促進すれば、物的被害は防止できないけれども少なくとも人的被害は減少することが可能である。その意味で、災害情報を始めとするソフトな防災対策の推進は、防災対策としてきわめて重要な役割を持っている」と言われています。

 

我々が開発している減災ITシステムは、廣井先生のこの考え方が脈々と受け継がれています。IT技術で地震の揺れを止めたりする事は出来ませんが、いち早く揺れを伝えたり、避難状況を確認したり、二次災害を防止する事は出来るはずです。我々は減災の考え方をより突き詰めて、被災者を限りなくゼロに近づけれるように開発をしていきたいと思います。

 

http://www.rits-dmuch.jp/jp/results/disaster/dl_files/3go/3_4.pdf

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